2000年10月11日
日本ポリケム、四日市のPP設備の一部を停止
2004年には大型装置の新設で強力体制を構築
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日本ポリケム

 わが国におけるポリオレフィンの最大手メーカーである日本ポリケムは10日、四日市工場内のポリプロピレン(PP)設備の一部の運転を停止した。同社はこれまで同工場内で年産4万トン能力と同3万7,000トン能力の二つの系列を稼動させてきた。今回はそのうちの4万トンプラントの操業を停止したもの。
 同社は、これに先駆けて今年5月に水島工場内の2系列合計14万2,000トン能力のPP設備のうちの1系列4万トンの操業を打ち切っている。今回の措置はそれに続くもので、この結果、同社のPPの総設備能力は同8万2,000トン縮小して4工場・8系列合計同70万トンとなった。それでもなお、わが国のPPの総設備能力の23%強を同社が占め、業界トップの地位を維持している。
 水島、四日市と続いた同社の一連の設備縮小計画は、需要の本格回復が期待薄なことと、コスト競争力の強化には小規模プラントへの依存度を極力縮小していくことが必要となっていることを背景に打ち出されたもの。これによって、同樹脂部門全体のコストの削減がどこまで図れるかが注目される。
 なお同社は、今後は、中長期的な国際競争力の強化のための生産体制の再構築を目指して具体策の検討に乗り出す。国際規模の大型新設備の建設と既存設備の休止・廃棄がポイントとなる。