2015年09月03日
山梨県に次世代フライホイール蓄電システム実証設備完成
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3日、NEDOプロジェクトで研究が行われている世界最大級の次世代フライホイール蓄電システムの実証試験設備が山梨県米倉山に完成したと発表した。今後、山梨県が運営する米倉山大規模太陽光発電所と電力系統に連系させて、変動の大きい再生可能エネルギーの安定導入に向けた実証試験を行う。

フライホイール蓄電システムは、電力をフライホイール(弾み車)の回転エネルギーに変換して蓄えるもので、大電力を繰り返し出し入れすることが得意で長く使える蓄電システム。

現在、NEDOプロジェクトで鉄道総合技術研究所、クボテック、古河電気工業、ミラプロ及び山梨県企業局により研究が行われている。今回完成した「次世代フライホール蓄電システム」は、大径で重いフライホイールを高速回転に耐えられる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で製作し、さらにイットリウム系線材と超電導バルク体による超電導磁気軸受を用いることにより、フライホイールを磁気浮上させ、高速かつ低損失で回転させることを可能にした。

今後、「エネルギーの地産地消」実現に向け、再生可能エネルギーの導入を進める山梨県米倉山で「次世代フライホイール蓄電システム」と太陽光発電を組み合わせた系統連系試験を行う。


<用語の解説>
■フライホイールとは:重心に回転軸が通った慣性体で、慣性モーメントの大きさは組み込まれる機械に応じて設計される。機械の回転速度が急速に変化しようと作用した場合、その回転系の慣性モーメントが大きいほど必要なトルクは大きくなる。