2015年09月11日
東大、簡便で効果的なヒトiPS細胞由来成熟肝細胞誘導法を開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

東京大学分子細胞生物学研究所の宮島篤教授、木戸丈友助教らの研究グループは11日、簡便で効率的なヒトiPS細胞由来成熟肝細胞誘導法を開発したと発表した。

創薬研究や再生医療への応用を目的として、ヒトiPS細胞から肝細胞を作製する取り組みがスタートしたが、簡便で効率的な肝細胞の作製法はまだ開発されていない。

同研究グループは、新たに肝前駆細胞マーカーとしてCarboxypeptidaseM(CPM)を同定し、この発現を指標として自動磁気分離装置による簡便なヒトiPS細胞由来肝前駆細胞の分離・培養法を樹立した。

薬物の毒性試験、新規薬物の探索など創薬研究や再生医療研究だけでなく、肝炎ウイルスやマラリアの感染機構の研究ツールとしても貢献が期待される。

研究は科学技術振興機構(JST)の「人工多能性肝細胞作製・制御等の基盤技術」研究の助成および日本学術振興会の研究費助成の支援を得て行われた。

研究成果は、科学雑誌「Stem Cell Reports」オンライン版 9月10日付(米国東部時間)に掲載。