2015年09月14日 |
東大、細胞のがん化につながる染色体分子機構解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学 分子細胞生物学研究所の渡邊嘉典教授、丹野悠司助教らのチームは、細胞のがん化につながる染色体不安定性の分子メカニズムを解明したと11日発表した。 ヒトの正常細胞では46本の染色体が安定的に維持されているのに対して、がん化した細胞では染色体の異数性が頻繁に見られることが知られている。細胞分裂のときの染色体分裂の異常は、染色体数およびゲノムの不安定性を誘発し、細胞のがん化およびその悪性化を促進すると考えられている。 渡邊教授らは今回、この染色体不安定性を示すがん細胞株の多くで、染色体のセントロメア(※)の特異的な制御機構に欠損があることを見出した。染色体分配の異常は、ゲノムの不安定性を誘発し、がん化およびその悪性化を促進すると考えられていたが、その分子機構が今回の研究で初めて明らかになった。 制がん剤の開発に新たな方向性を与える成果として注目される。 詳細は科学雑誌「Science」に掲載。 <用語の解説> ■セントロメアとは :染色体の中心部分にある領域で、この部分に糸状の紡錘糸が結合して染色体の分離が行われる。 |