2015年09月17日 |
東大など、世界最高効率 24.4%の水素製造に成功 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学大学院の杉山正和准教授(電気系工学)、宮崎大学の西岡賢祐准教授(電子物理工学)らの研究グループは17日、「実際の太陽光下で世界最高効率(24.4%)の水素製造に成功した」と発表した。 ポイントとして、以下の3点をあげた。 (1)高効率太陽電池で得た電力で水を分解し、太陽光エネルギーの24.4%を水素に換えることに成功した。これは世界最高効率となる。 (2)従来の光触媒を用いた太陽光からの水素生成では、エネルギー変換効率は10%以下に留まっている。本研究により限られた面積で効率よく太陽光から水素を得ることが可能になる。 (3)現在、化石燃料から製造している燃料電池自動車の水素を、太陽光で生成することが現実的になる。また、日射条件の良い国で高効率に水素を製造して日本に運ぶことで、日本の化石燃料を太陽光水素で代替することが可能になる。 杉山准教授らは、レザーやLEDなどに用いられる高品質な半導体を、レンズで集めた強い光のもとで発電する集光型太陽電池(発電効率31%)を用い、水の電気分解装置との接続法を改良することでエネルギー損失を低減し、高効率の水素製造に成功した。 今後、集光型太陽電池の発電効率は35%までの向上が見込まれ、電力から水素へのエネルギー伝達効率80%を考慮すると、「太陽光から水素へのエネルギー変換効率は28%に達すると予想される」としている。 詳細は専門雑誌「Applied Physics Express」に発表。 |