2015年09月18日
NEDO、石炭ガスクリーンナップ技術開発着手
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は18日、大幅な高効率化・低炭素化を実現する究極の高効率石炭火力発電の実現に向けて、石炭ガス化ガス中に含まれる被毒成分を高度に除去する「燃料電池向け石炭ガスクリーンナップ技術要素研究」の開発に着手すると発表した。

石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)が実現すれば、発電効率は55%まで向上、CO2排出量を30%削減できる。

IGFCは、石炭をガス化させ燃料電池、ガスタービン、蒸気タービンの3種の発電形態を組み合わせて発電を行う技術。現行の最新技術である超々臨界石炭火力発電(USC)の発電効率は約40%だが、IGFCが実現すれば発電効率は約55%まで向上し、CO2の排出量を約30%削減することが可能となる。

だが、IGFC の実現に向けては、石炭ガス化中に微量に含まれる、燃料電池の性能を劣化させる被毒成分の除去が大きな課題となる。そこで今回、IGFCの技術確立に向けて、石炭ガス化中に含まれている被毒成分を高度に除去する石炭ガスクリーンナップ技術の開発に着手する。

具体的には電源開発を委託先として、2015年度から2017年度までの3カ年計画で取り組む。石炭ガス化ガスを模擬した燃料による被毒試験により、燃料電池の被毒耐性を評価するとともに、被毒成分を許容レベルまで除去できる燃料電池用の石炭ガスクリーンナップシステムを開発する。2025年頃のIGFC技術最終確立を目指す。