2015年09月30日
出光興産、千葉工場のポリカ設備を台湾FCFCに集約
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産

出光興産は30日、千葉工場(市原市)のポリカーボネート樹脂「タフロン」製造装置の運転を今年12月末かぎりで停止し、台湾 Formosaグループの中核企業であるFormosa Chemicals & Fibre Corporation(FCFC)へ集約すると発表した。

出光興産は2001年、FCFCに同樹脂のライセンスを供与。ほぼ同時期に現地に共同出資による販売会社「Formosa出光ペトロケミカル」を設立するなど、両社は緊密な関係にある。

出光興産はポリカーボネート製造技術を自社開発し、千葉工場には2系列計年産47,000トンの設備を持っていたが、これまで段階的にFCFCへの設備集約を進めてきた。現在千葉に残っているのは特殊グレード用の1系列1万7000トン設備という。一方、FCFCはその後も順調に設備拡張を続け、現在、雲林県麦寮に20万トン設備を有するアジアトップクラスのメーカーとなっている。

ポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性などに優れた特性を有する汎用エンプラの代表格。需要も自動車やIT関連、OA機器分野などを中心に1990年代後半から2000年代前半にかけて右肩上がりで伸長してきた。だがその後は、ユーザー産業の海外工場移転やABS樹脂など他樹脂との競合、IT関連業界の冷え込み、OA機器ハウジングのノンハロゲン化などの事情が重なり、国内需要は低迷が続いている。