2000年10月05日 |
出光石油化学、10月21日出荷分から汎用樹脂およびPCを値上げ |
PS12~17円/PP・HDPE・LLDPEは各10円、PCは25円 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
出光石油化学はこのほど、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の4樹脂について、10月21出荷分から値上げを実施することを決め、ユーザーとの交渉を開始する、と発表した。 値上げ幅は、PSのうち一般グレードがキログラム当たり12円、難燃などの特殊グレードが同17円、PP、HDPE、LLDPEはそれぞれ10円。 また、同社は以前から日本市場の国際化に対応して取り引きの透明性・合理性を上げるために、独自の海外市況連動型、ナフサ連動型などのフォーミュラによる契約販売を推進しているが、これらのユーザーについては現状のフォーミュラに基づいて価格改定を実施すると説明している。 値上げの背景について、第1に原油・ナフサ価格が上昇の一途をたどっており、平時であるにもかかわらず湾岸戦争時に匹敵するレベルに達している。同社は、原料コストの上昇を自助努力で吸収すべく合理化を進めているが、現状のナフサ価格の水準は自助努力の範囲をはるかに超えており、事業採算の悪化が急速に進んでいる、と説明している。同社は第3四半期のナフサ価格キロリットル当たり2万3,000円が確実視される現時点において、この原料コストに見合った樹脂価格への改定が必要と判断した。 第4四半期についても、直近のナフサ価格が2万5,000円を超えていること、また世界の原油在庫水準が低いなか、冬場の需要期を控えていることなどを考慮すると、当面騰勢が続く原油価格に連動してナフサ価格も引き続き高値で推移すると考えている。第4四半期が終了し、ナフサ価格が確定した時点で、別途価格改定を検討、実施する方針。 このほか同社は、これまで進めてきた契約販売を引き続き積極的に提案、同方式による価格決定が広く定着することを期待しているとしている。 また、PC(ポリカーボネート)の価格についても、10月21日出荷分からアロイを含む全グレードを対象に、キログラム当たり25円以上の値上げを決定、実施に向け交渉を開始する。原油価格上昇の影響にともなう採算悪化の是正が主な理由。 値上げ実施の背景については、同時に発表している汎用樹脂と同様で、原油・ナフサ価格が湾岸戦争時に匹敵するレベルに達しており、これにともなってPC事業の採算が悪化していること、また国内外のPC需要が依然10%を超える伸びを示しており、需給が非常にタイトな状況が続いていることを挙げている。 |