2015年10月05日 |
阪大院など、ニッケルから「小さなな触媒格納庫」合成 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所、大阪大学 |
大阪大学大学院の真島和志教授(基礎工学研)と産業技術総合研究所の共同研究グループは5日、安価で入手容易なニッケルを用いて直径最大15ナノメートルの非晶質ナノ粒子を世界で初めて合成し、同粒子を用いて触媒的な炭素ー炭素結合形成反応を達成したと発表した。 一般的に、安価で毒性が低い卑金属(ニッケルや鉄など)のナノ粒子は触媒活性が低く、有機合成反応への応用が難しいことが問題となっていた。今回の研究成果は、ニッケルナノ粒子でこれまで知られていた触媒活性の限界を打ち破り、炭素―炭素結合形成反応に対して、パラジウムや白金などの貴金属ナノ粒子より高活性な触媒として利用可能なことを示した。 今後、導電性高分子や医薬品などの部分骨格も安価に合成でき、身近な製品の大幅なコストダウンなど、実用的な展開が期待される。また、この合成手法を用いることで、鉄、銅、コバルトなど、ニッケル以外の金属粒子も容易に形成できることから、金属ナノ粒子の代表的な応用法であるナノマシンや量子ドットといった次世代のマテリアルを実現する大きなきっかけとなることが期待される。 なお、この研究成果は、学術論文雑誌のAngewandte Chemie International Editionに近く掲載の予定。 |