2015年10月06日
エーザイ、寄生虫病治療薬1.5億錠を無償提供
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:エーザイ

エーザイは、インドネシア政府が推進するリンパ系フィラリア症(像皮病)の全国一斉制圧キャンペーンに協力して、合計1億5100万錠のリンパ系フィラリア症治療薬「ジエチルカルバマジンクエン酸塩」(DEC)を無償提供したと発表した。

リンパ系フィラリア症とは、蚊を媒介してヒトの感染する寄生虫病。一般には像皮病として知られ、る。痛みだけでなくリンパ浮腫などからだの一部が異常に肥大する身体障害を発症する。現在世界中で約1.2億人が感染しているといわれる。同国政府は今年から10月をリンパ系フィラリア症制圧月間と定め、世界保健機関(WHO)の協力を得て、疾患認知度の向上を目指すとともに、インドネシア全土で集団投薬を行うことにした。

だがDEC錠は、世界的に高品質な製品を安定的に手に入れることが困難な状況にあり、同疾患制圧に向けた大きな障害となっていた。
エーザイは、インド・バイザック工場でDEC錠の製剤開発を行い、2012年10月にWHOに申請、2013年8月にWHOの事前認定を取得し、2013年10月からプライスゼロの新製品として供給を開始している。今後も、WHOの集団投薬プログラムに沿って、2020年まで同剤を継続的に提供していく方針だ。