2015年10月06日
京大、オメガ3脂肪酸が皮膚アレルギーを改善
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学は6日、魚油に多く含まれているオメガ3脂肪酸由来の脂質が、皮膚のアレルギー反応を改善することを発見したと発表した。

魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といったオメガ3脂肪酸は、古くからさまざまな病態において炎症抑制作用があることが知られている。オメガ3脂肪酸は、ヒトでは体内で生成されないが、食べ物から摂取され体内で代謝され、種々の抗炎症性物質が生成されることが知られている。しかし、その抗炎症作用のメカニズムはいまだ不明な点が多く残されている。また、皮膚アレルギー反応における作用についてもほとんど解析が進んでいなかった。

京大の研究グループは、オメガ3脂肪酸由来の脂質代謝物の一種である「レゾルビンE1」が、皮膚アレルギー反応で重要な働きを担う樹状細胞の機能を制御して、皮膚アレルギー反応に抑制効果を有することを世界で初めて証明した。
今後、オメガ3脂肪酸をターゲットとしたアレルギー疾患の新たな治療法の開発が期待される。