2000年10月04日
呉羽化学、近くPPS半導電グレードのマーケティングに着手
錦工場のベースレジン増強は今月中にも完了
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:クレハ、ポリプラスチックス

 呉羽化学工業は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンドについて、近く半導電グレードのマーケティングを開始する考えだ。同社は、PPS事業では基本的にベースレジンを製造、提携しているポリプラスチックスがコンパウンドを生産、販売する体制にあるが、今後もニッチ市場向けの特殊用途では研究開発を進めていく考え。
 呉羽化学は日本を含むアジア・太平洋地域では提携しているポリプラスチックスにベースレジンを供給、ポリプラスチックスがPPSコンパウンドとして販売しており、また欧米については合弁パートナーであるティコナがPPSコンパウンドを販売している。ただし呉羽化学は、1997年6月から錦工場で年産1,300トンの特殊機能性コンパウンド設備を稼動させており、ニッチ市場をターゲットに、炭素材料や磁性材料などをフィラーとして用いたPPSやPVDF(ふっ化ビニリデン樹脂)複合材料を生産している。
 今回マーケティングを開始する半導電グレードも、半導体パッケージなどの分野を狙った特殊グレード。特殊なカーボンを導電フィラーとして用いて抵抗を10の6~10乗にするもので、同社では今後の展開に期待している。
 なお同社は、PPSベースレジンのトップメーカーで、日本では錦工場において年産4,500トン、米国ではティコナとの合弁会社フォートロン・インダストリーズとして5,400トンの生産能力を有している。現在両拠点とも増強を進めており、錦工場は10月中に900トン増強、フォートロンも年末までに段階的に1,800トンの増強を実施する予定で、これらの増強により2拠点あわせ1万2,600トン体制に拡大する。

<参考>http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/pj/pjpps>世界のポリフェニレンサルファイド設備計画

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