2015年10月08日 |
東大、長時間「強度と伸縮性」を保つゲルを開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学大学院の酒井宗匡准教授(バイオエンジニアリング)らは8日、可塑性を与えることで「強さ」と「靭やかさ」を保つゲルを世界で初めて開発したと発表した。 ゲルは柔らかく伸縮性に富み、液体を保持できるなどユニークな特徴を持つところから、化粧品や日用品、コンタクトレンズ、紙オムツなど医療・衛生用品分野を中心に広く使用されている。だが、繰り返し荷重がかかると突然壊れてしまう性質があるため、材料としての信頼性が低いという問題があった。 酒井准教授らの研究グループは、水溶媒下で凝集体をつくる性質を持つ高分子を導入することでゲルに可塑性を付与し、長期間同じ強度と伸縮性を保つ性能を世界で初めて実現した。 ゲルに可塑性部位を導入することで、長時間同じ強度と伸縮性を保つ、信頼性の高い材料を実現した。 従来のゲルがもつ繰り返しの荷重に弱いという問題を、今回新しく開発したゲルで克服した。だれでも簡単に作製できる基板技術となる。 人工軟骨や人工椎間板など、からだの荷重がかかる部位への応用や人工筋肉、フレキシブルディスプレイなどの繰り返し曲げ伸ばしが求められる分野への応用が期待される。 論文は「Advanced Materials」オンライン版(10月7日)に掲載された。 |