1999年11月12日 |
三菱レイヨン、環境対策を強化~ISO14001取得/焼却炉導入を推進 |
主力の大竹事業所でISO14001取得/新廃棄物焼却炉が稼働 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:三菱レイヨン、NEDO |
三菱レイヨンは、環境問題への対応を強化するため、主力の大竹事業所を中心にISO14001の認証取得や新廃棄物焼却炉の導入などを進めている。今後も大竹事業所をモデルに他事業所の環境対策も強化していく方針。 同社は、全社の環境施策に関する意志決定機関として、「安全環境品質委員会」を中心に環境対策活動に取り組んでいる。同社はアクリルをコアビジネスとして繊維、樹脂、機能製品分野に展開している。中でも大竹事業所はこれらすべてに関わる主力生産拠点となっている。こうしたことから、各分野の原料~製品までの各工程における廃棄物の削減、リサイクル、廃棄のあり方について、広範な対策・検討を行い、豊橋、富山、横浜など他の事業所へのモデルとすべく、環境対策の先導的な役割を担っている。 大竹事業所では、10月25日付けでISO14001の認証登録を完了、地球環境への貢献といった普遍的異議のみではなく、従業員の環境意識の向上、法規制準拠から自主的管理活動への重点移行など、環境対策のさらなる高度化に向けた第一歩に位置付けている。また今年6月には、年間焼却能力1万4,000トン規模の流動床型新規廃棄物焼却炉および廃熱回収システムを導入、稼働を開始した。現在、大竹事業所の廃棄可燃物は、年間約1万4,000トンあるが、このうち売却分と、外部委託処理分中の自家焼却不能分(約380トン)を除く自家焼却可能分が約1万1,000トンある。1999年度現在自家焼却量は、年間8,600トンだが、2001年度までには1万4,000トン全量を焼却できる規模とした。今後はますます困難になると予想される外部委託処理に対応する考え。 新焼却炉では、〓焼却による廃熱は回収、事業所の製造工程の熱源として利用することで地球温暖化防止に寄与(年間3ギガカロリーで、石炭エネルギー4,300トン相当、事業所使用熱量の約5%に当たる)、〓有害大気汚染物質であるブタジエン排ガスなどは焼却無害化し、地域環境向上を促進、〓排ガス中のダイオキシン濃度は、活性炭吸着機能を備えたガス処理設備により、規制値を大幅に下回るレベルに低減する、といった仕様になっている。また技術的には、〓形状、大きさ、種類の異なる多種類の産業廃棄物を同一焼却炉で混焼可能、〓流動床炉のためろない温度の制御が可能で、アルカリ金属含有廃プラスチックなども安定的に処理できることなどが特長。なお、同施設は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の審査で「新エネ利用の促進に関する特別措置法」の対象支援事業として認定を受けており、技術の先進性を評価されている。 その他の事業所の対応については、豊橋事業所がISO14001の審査を終了、登録の見込みとなっているほか、富山事業所が年内にも審査終了、来春の取得予定となっている。また横浜事業所では2001年春に取得を予定している。さらに豊橋事業所では、2000年春をめどに年間焼却能力1万2,000トンの熱回収型焼却炉を稼働させる方針。 |