2015年10月14日
NEDO、CO2分離型化学燃焼石炭利用技術 開発に着手
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は14日、石炭火力発電から排出されるCO2を削減するための「CO2分離型化学燃焼石炭利用技術開発」に着手すると発表した。2020年代後半以降に同技術を確立し、CO2分離・回収コストをCO2・1トン当たり1000円台のCO2分離型化学燃焼石炭火力発電システムの実用化を目指す。

石炭火力発電からCO2分離・回収のためには、専用のCO2分離・回収装置もしくは酸素燃焼用の空気分離装置が必要となり、これらに係るエネルギー損失のため、現状ではコストがCO2・1トン当たり3000-4000円程度と高いことが課題になっている。

そこでNEDOでは今回、CO2分離・回収装置が不要となる中小規模の石炭火力発電向けのCO2分離型化学燃焼石炭利用技術(ケミカルルーピング技術)の開発に着手することにした。

この技術開発事業では、CO2分離・回収コストをCO2・1トン当たり1000円台(圧縮コストを除く)を見通せるケミカルルーピング技術の実用化に向けた基礎研究を実施する。

具体的には、三菱日立パワーシステムズ、石炭エネルギーセンター、エネルギー総合工学研究所及び産業技術総合研究所を委託先として、天然及び人工の酸素キャリアについて反応性や耐久性などの評価試験を実施のうえ、ライフサイクルコストの低い酸素キャリア候補を選定し、これに基づきプラント構成について検討を行い、最終的には小型のプロセス試験装置によりシステム成立性を検証する。

石炭火力発電のさらなる低炭素化に向け、2020年後半以降にケミカルルーピング技術を確立し、CO2分離・回収コストをCO2・1トン当たり1000円台のCO2分離型化学燃焼石炭火力発電システムの実用化を目指す。