2000年10月03日 |
昭和電工と昭和アルミ、来年7月に合併へ~アルミ事業を完全統合 |
ショウティックを含めた合併を検討/グループ最大のコア事業に |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工と昭和アルミニウムは3日、同日開催した取締役会において、来年7月1日に合併することを決議し、覚書を締結した、と発表した。両社対等の立場での合併で、これにより昭和電工グループのアルミニウム事業は完全統合されることになる。 合併は対等な立場で行われ、手続き上は昭和電工が存続会社となる。このため合併比率は1:1だが、昭和電工がオ有する昭和アルミニウムの株式1億2万2,000株は新株式を割り当てない。今後のスケジュールについては、来年2月に合併契約書承認取締役会および契約書締結、3月には合併契約書承認株主総会を経て、7月1日に合併する。合併新会社の資本金は1,104億5,100万円で、総資産は約6,800億円(うち合併による影響額は約1,200億円)となる。 昭和電工グループにとってアルミニウム事業は、戦略的に重要な事業の柱の1つに位置付けられている。1999年度の同部門の連結売上高は約2,300億円と、総売上高の約35%を占めている。昭和電工は昨年9月に発表した連結中期経営企画において、電子・情報分野および自動車材料・部品分野を重点ターゲット市場として、これらの市場と関係の深い高付加価値アルミニウム加工事業を成長戦略事業に位置付けており、その中で昭和アルミニウムは同事業を展開する上で中核的な連結子会社となっている。 合併新会社は、高度化・多様化するニーズに応え、高品質・高機能の材料や部品を提供しつづける複合的材料メーカーを目指す。特に重視している市場は、高成長が期待されるエレクトロニクスや自動車などのハイテク分野で、アルミニウム、カーボン、セラミックス、レア・メタル、プラスチックス、スペシャリティー・ケミカルズ、ガスなどの素材に加え、これらの複合材料およびハイブリッド材料などを市場に提供、その広がりと技術蓄積の深さで、グローバル・マーケットにおいてユニークな存在になると見ている。 今回の合併により、グループのアルミニウム事業は完全統合され、グループ最大のコア事業として強化・拡大を目指すことになる。昭和電工グループでは、昭和アルミが製造・販売している自動車およびOA市場向けのアルミニウム部品は、技術的に世界のトップレベルにあるとみており、合併を機会に昭和電工が長年蓄積してきた無機・有機化学の技術を含め、他分野の技術との融合を図り、市場における技術的優位性をさらに確立していく考え。 特にコンデンサーや電池などの情報分野や自動車用材料・部品分野、食品パッケージ分野では、研究開発をはじめ、製造からマーケティングに至る一体化と効率化が実現する。また両社の本社および国内販売拠点の統合、組織のスリム化、人材の有効活用などによるコスト削減も合併効果として見込んでいる。さらにマーケットや顧客情報の統合により、昭和アルミニウムを含む昭和電工グループのアルミニウム事業各社が世界で展開している、生産・販売拠点の有効活用が可能となり、事業拡大を追及できる、としている。 なお両社は、合併効果を最大限に高めるため、両社で全株を保有しているショウティックについても、同時に合併することで合意している。ショウティックの保有する連続鋳造・鍛造技術と、昭和アルミニウムの加工技術とを融合、自動車の軽量化など市場のニーズに対し、よりスピーディに対応できる体制の構築を目指して検討を進めていくことにしている。 |