2015年10月28日
東北大など、自然免疫応答を発動する新分子発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学大学院の倉石貴透元(薬学研究科)助教(現慶応大学専任講師)と倉田祥一朗教授らの研究グループは、28日、ショウジョウバエの自然免疫経路であるToll(トール)経路の新規の細胞内シグナル伝達因子 Sherpa(シェルパ)の同定に成功したと発表した。
 
ヒトやショウジョウバエを含むすべての多細胞生物は、細菌やウイルスなどから身を守るため自然免疫というメカニズムを備えている。ショウジョウバエでは、カビなどの感染時にToll経路が活性化することで自然免疫が発動する。しかし、細胞内でToll経路が活性化される仕組みはまだ十分に解明されていなかった。

研究グループは、Toll経路の解析に適した培養細胞を見つけ、ショウジョウバエの全遺伝子を対象に網羅的に探索して、Toll経路活性化に必須の新たな遺伝子「Sherpa」を見いだした。Sherpaに類似した遺伝子はヒトにも存在していることから、自然免疫を活性化する新たなメカニズムが提唱されると期待される。

同成果は、2015年10月27日(アメリカ東部時間)に、Science Signaling誌電子版に掲載の予定。