2000年10月03日
プラ協、今年度の技術開発支援テーマを決定
廃プラのリサイクル技術3件を資金面でバクアップ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は3日、今年度の廃プラスチックリサイクル技術開発支援テーマとして3件を選んだと発表した。同協会は、92年度いらい毎年、企業や大学や研究機関による廃プラスチックリサイクル技術開発を資金面で支援してきており、これに対するこれまでの応募総件数は274件、支援総件数は合計37件におよんでいる。
 今回は、7月に公募したところ25件の応募があり、その中から同協会の審査委員会が3件を選んだ。支援総額は3件トータルで950万円となっている。
 対象に選ばれた開発テーマの一つは、TERA(テラ)による「発泡スチロールのマテリアルリサイクル・システムの開発」で、研究資金総額は1,500万円。同協会の支援額は450万円となっている。二つ目は神戸製鋼所による「マイクロ波による塩化ビニルの脱塩素処理技術の開発」で、研究資金総額は1,450万円。支援額は300万円である。もう一つの支援テーマは、岡山大学工学部物質応用化学科の田中善之助教授による「固気流動層による廃プラスチックの連続比重分離技術の開発」で、研究資金総額は300万円。支援額は200万円となっている。
 それぞれの技術内容は以下の通り。
 [発泡スチロールのマテリアルリサイクル・システムの開発]=粉砕発泡スチロール、水、微量の減容液(灯油等)を同時に約60度cで短時間攪拌して、25分の1程度に減容した粒状PSを得る安価なリサイクル法の開発。
 [マイクロ波による塩ビの脱塩素処理技術の開発]=塩ビをマイクロ波加熱装置を通過させると著しく重量が減少する現象を利用して、塩ビを塩化水素に選択的に加熱分解してそのガスをアルカリ水溶液中へ導いて固定化し無害化する技術の開発。
 [廃プラスチック連続比重分離技術の開発]=プラスチックを下部からの送風で流動化させた固気流動層によって、廃プラスチックの見掛け比重差で分離する技術の開発。(被分離プラスチックにより固気流動層媒体を工夫する。被分離プラスチックの大きさは空洞がない限り制約はない)。