2000年10月03日 |
BASF、シンガポールのSM/PO設備稼動でアジアの自給体制を確立 |
今後SMは新たな投資も検討課題に |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:BASF |
BASFは現在、シンガポールでシェルとの合弁会社BASELLイースタンとして、2001年下期をめどにSM(スチレンモノマー)年産55万トン/PO(プロピレンオキサイド)同25万トン併産設備の建設を進めているが、同設備の稼動により引き取る25万トンのSMで、アジア地域における自給体制を確立する考えだ。 同社は現在、アジア地域においてSM(中国)、PS(ポリスチレン、韓国、中国)、ABS樹脂(韓国)、EPS(発泡ポリスチレン、韓国、インドネシアなど)のほか、ディスパージョンなどの生産拠点を有している。 このうち中国の事業については、揚子石化公司との合弁会社揚子BASFスタイレニックスとして一貫体制を構築しているが、韓国は隣接するSKオキシケミカルを中心に原料SMを外部購入する体制となっている。このためシンガポールのSM/PO併産設備完成後は、SKグループとの間でシンガポールのSMとスワップすることなどにより、韓国の生産設備で必要なSMを自給の体制が整うことになる。 ただし、BASF AGアジア地域総括を担当するユルゲン・ハンブレヒト専務は、「当社がアジア地域で手がけているスチレン系製品のラインアップから考えると、(シンガポールのSM引取りがスタートしても)まだ足りない。当然、SMの外販は考えていない」として、現在進行中の南京のコンビナート計画以外にも、アジア地域でさらにSMに投資する可能性を示唆している。 なお同社は、今春から日本においてもPS、ABS樹脂の販売活動を積極化しており、2005年には日本市場で5%のシェア獲得を目指している。 |