2000年10月02日 |
旭化成、ATバッテリーの所有株式を東芝に譲渡 |
電池素材メーカーとしてセパレータ・燃料電池用膜などに専念 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:旭化成、東芝 |
東芝と旭化成工業は29日、リチウムイオン二次電池事業をてがける合弁会社エイ・ティバッテリー(A&TB)について、東芝が旭化成が所有する同社全株式を取得することで合意した、と発表した。年内を目標に株式を取得する予定で、2001年初頭には東芝グループ100%出資の新会社(社名は未定)として、モバイル用に特化し、リチウムイオン二次電池事業の拡大を目指す。 A&TBは、東芝40%、東芝電池20%、旭化成40%出資により、1992年10月に設立、資本金は50億円で472名の従業員を擁している。 東芝は、中期経営計画において、モバイル分野への注力を掲げている。部品事業においても携帯電話やノートパソコン、IA(インターネットアプライアンス)向けなどで、さらに重要性が増すと見込まれているリチウムイオン二次電池事業を、低温ポリシリコン液晶やSAWフィルター事業とともに成長・拡大させることを戦略の柱としている。今回は、この一環として東芝の部品事業としての総合力を活かし、中期経営計画の具体的な実行のため、A&TBを100%子会社化するもの。 一方、旭化成は、自社で保有するユニークなリチウムイオン二次電池基礎技術(基本特許および製造ノウハウ)を事業化して世に出すために、A&TBの合弁パートナーとして、電池事業の経営そのものに関わってきたが、今後は電池用素材メーカーとして、セパレータや燃料電池用膜などの取り組みに専念、合弁会社の経営を東芝に委ねることにした。 なお旭化成は現在、リチウムイオン二次電池の基本特許と製造ノウハウをA&TBに提供しているが、所有株式の譲渡後も引き続き新会社に対し使用を許諾することで、同事業を支援していく方針。また旭化成から出向している従業員のうち、希望者については東芝に移籍後、新会社に出向する形態で同事業に従事することになる。 |