2015年11月25日
ゼノアなど、DMSOを使用しない細胞凍結保存液開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は25日、ゼノアックリソース(本社:福島県郡山市)が、国立成育医療研究センターや産総研と共同で、ジメチルスルホキシド(DMSO)を使用しない細胞凍結保存液を開発したと発表した。NEDOプロジェクトの成果となる。

細胞の凍結保存時には、細胞内の氷の結晶化によるダメージを防ぐため、DMSOが使用されているが、DMSO濃度が高くなると、細胞毒性を示すことが知られているため、DMSOを使用しない凍結保存液の開発が望まれていた。

ゼノアックリソースは、今回プロジェクトで細胞凍結保存に関する技術を応用し、既知成分からなるXeno-フリー(ヒト以外の動物成分が含有されていない)の概念を満たす最適なDMSOフリータイプの凍結保存液の処方検討を行ってきた。また、研究期間中にGMP生産体制を整え、GMPに準拠した製品化を達成できるように進めてきた。

今回、産総研や成育医療センターなど複数の施設で行われた評価試験で、DMSOフリー・GMPグレードの凍結保存液がさまざまな間葉系幹細胞を良好な状態で凍結保存できることが示された。

今回開発した細胞凍結保存液は、間葉系幹細胞をはじめさまざな細胞に適応可能で、12月1日からゼノアックリソースが発売元、親会社の日本全薬工業が製造元となり市場展開する。