2015年12月03日
横浜ゴム、ゴム材料の多目的設計探査技術を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:横浜ゴム

横浜ゴムは、ゴム材料の多目的設計探査シミュレーション技術を開発したと発表した。ゴム材料の設計で従来にない革新的な発想を得るために開発した。低燃費性能と安全性能、超軽量と高剛性など、背反性能を高次元で両立したタイヤを新しいアプローチで開発するのが狙い。

同社は、これまでも空力シミュレーションや流体音響シミュレーションなど、新発想を得るための技術開発に取り組んできた。その結果、タイヤ周辺の空気の流れをコントロールし、燃費向上に貢献するディンプルデザインやフィン付きタイヤなどを発表してきた。

タイヤの性能にはゴム材料となるポリマー(ゴム)と、フィラー(カーボンブラックなど)の複雑な微細構造が大きく影響する。今回開発した技術は、実際のゴム材料を使う従来のシミュレーションと異なり、仮想的な微細構造を有したゴム材料のモデル化を実現し、微細構造を自在にコントロールできるシミュレーションを可能にした。
微細構造のパラメータ(変数)を変化させることで様々な微細構造を有する約10億要素の超大規模なシミュレーションモデルを得ることができる。

また、東京工業大学のスーパーコンピュータ「TSUBAME2.5」を使い、従来法では計算できなかった約10億要素からなる超大規模計算をわずか75分で終了できることも確認した。