2015年12月08日
積水化学、フロントガラス全面に情報表示の中間膜
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:積水化学工業

積水化学は8日、自動車のフロントガラス全面に文字や図を表示できる合わせガラス用中間膜「自発光中間膜」の基礎技術を確立したと発表した。12月10日~12日、東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ2015」にデモ機を展示する。2018年の上市を目指す。

最近、自動車走行時に速度や車線に関する情報などをフロントガラスに表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)を導入する車が増えている。2014年度に世界で販売された新車のうち100万台程度にこのシステムが採用されている。2020年度には500万台以上に拡大する見通しだ。

同社は2008年、このHUDシステムに対応した「楔(くさび)形中間膜」を発売した。だが、フロントガラスの限られた部分にしか映像を投影できないため、表示できる情報量も限られている。そこで今回の自発光システム開発となった。

自発光中間膜には、発光材料が含まれており、車内に設置するプロジェクターから特殊なレーザー光を照射すると、照射された部分が発光し、文字や画像を表示する仕組み。遮熱、遮音、楔形、シェード付など多くの機能を同時に付与することができる。将来的には自動車用に限らず建築物のガラスなどにも展開していく方針だ。