2000年09月29日
三菱レイヨン、DMFおよびMAを値上げ
原料高、需給逼迫から再値上げ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは、DMF(ジメチルフォルムアミド)およびMA(メチルアミン)の国内価格を10月21日出荷分からそれぞれキロ当たり20円、25円値上げすることを決め、需要家へのアナウンスを開始した。
 DMFおよびMAの値上げは昨年9月にも採算是正のためそれぞれ25円の値上げを実施しているが、原料のメタノール高騰、ナフサ高によるアンモニア価格の上昇により採算性が急速に悪化、企業努力も限界を超えているとして再値上げ打ち出しとなったもの。
 MAはDMFの原料として使用されるが、DMFは昨年からウレタン、電子材料用途を中心に国内外で好調に推移しており、今年に入って一段と需給がタイト化、全世界的に逼迫状況となっている。こうしたことから同社も輸出おいては、出荷制限を実施するなど、需要家の要求に応じられない状況となっている。
 また、新規稼動を予定している台湾のFCFC(年産4万トン)もトラブルにより、現在もスタートのめどが立っていない状況で、今後も需給逼迫状況は継続するものと見られている。
 DMFの需要では、電子材料としてフレキシブル基板の溶剤として需要が好調なほか、ブーツ向けなどの人工・合成皮革向けなどの既存分野でも好調に推移しており、今後も国内外での需要成長から見込まれており、安定供給の面からも採算是正は避けられないものと見られている。
 なお、同社のMA、DMF事業は旧日東化学が事業展開を行っていたもので、現在の設備能力は横浜工場にMAが年産3万5,000トン、DMF3万5,000トンとなっている。