2015年12月21日 |
京大と九大「オーロラ現象」の仕組み解明 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:京都大学、九州大学 |
京都大学と九州大学の研究チームは21日、オーロラが急激に明るく光り出す「オーロラ爆発」現象をスーパーコンピューターで再現し、長年のナゾだった爆発の基本的な仕組みを解明したと発表した。京大生存圏研究所の海老原祐輔准教授と九大国際宇宙天気科学・教育センター・田中高史名誉教授による成果としている。 田中名誉教授が開発した超高精密な電磁流体シュミレーションを用いて、地球近くの宇宙空間を模擬し、詳しく解析した。その結果、宇宙空間でおこる磁力線のつなき替えをきっかけとして高緯度地方の上空に熱いプラズマが集まり、回転運動をはじめることで大電流を急激に作り出し、オーロラ爆発がおこることを突き止めた。 オーロラの近くで電気が余るために周囲のプラズマが回転運動をはじめ、宇宙空間に向けて上向き電流を流すことで、サージと呼ばれる特有の極めて明るいオーロラが現れることも分かった。 これらは、世界で初めて得られた知見で、従来の定説を大きく覆すものとなる。オーロラ爆発の基本原理が分かったことで、オーロラ嵐の全容解明に向けて大きなブレークスルーになることが期待される。また、これが関連現象の理解につながり、人工衛星や地上の送電網の安全な運用に重要な指針を与えるものと期待される。 同研究成果は米国専門誌ジャーナル・オブ・シオフィジカルリサーチ誌 12月号(12月21日付)に掲載。 |