2015年12月22日 | |
小林・日化協会長「業績好調の今こそ改革を」 | |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:日本化学工業協会 |
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日本化学工業協会の小林喜光会長(三菱ケミカルホールディングス会長)は、22日の定例会見でこの一年を振り返り「化学業界にとっては総じて業績も好調に推移し良い一年だった」と語ったあと、「海外ではダウとデュポンの合併やファイザーのアラガン社買収など、ダイナミックな動きが見られる。日本の各社も今の好業績に満足することなく、将来の発展に向けて、さらなる新陳代謝が必要だ」と力を込めた。 国際原油価格の動向については「個人的には今の34ドル台からまだ下がる。20ドル台もありそうだと思っている。だが、ナフサ価格は原油ほど下がっていない。来年は水島の旭化成のエチレンプラントが停まることもあり、エチレンのタイト状態はまだしばらく続くと思うが、あくまで一時的であって、汎用品から高機能品へのシフトなど将来に向けた構造改革を今のうちにやっていかないといけない」。 今年のトピックスとして挙げたのは、「COP21」だった。「世界196カ国の国・地域が集まり、温室効果ガス削減に向けた“パリ協定”が採択された意義は大きい」と強調。「(日本の化学企業は)これまでの経験を生かし、磨き上げてきた技術や知見を提供して国際社会にグローバルに貢献していくべきだ」。「究極のエコといえる人工光合成や植物由来製品の研究開発も加速させていく必要がある」と意欲的だった。 もう一つの重要課題は安全対策。「痛ましい事故はもう起こさない。そこで今回、“保安事故防止ガイドライン 増版”を作成した。会員各社に周知徹底し、他協会とも連携して安全確保に全力で取り組む」ときっぱり。また、コンプライアンス問題に触れ「今年はデータ改ざんや不正会計などの問題が頻発した。安全とともに企業にとっては根幹にかかわる問題だ。6月にコーポレートガバナンスコードが策定されたが、今年は企業統治の重要性が再認識された年にもなった」と表情を引き締めていた。 |