2016年01月07日 |
京大、ヒト体細胞がiPSに変わる瞬間の可視化に成功 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学(再生医科学研究所)の多田高准教授らの研究グループは、ヒト体細胞からiPS細胞へ再プログラム化される中間段階にある幹細胞株、ヒトiPS(intermediately Reprogrammed Stem)細胞を新たに樹立したと、6日発表した。ゲノム編集技術を応用し、ヒトiPS細胞の内在性OCT4遺伝子の下流にGFPレポーター遺伝子を挿入することで、ヒトiPS細胞がOCT4陽性の幹細胞(iPS細胞)に変化する瞬間を生きた細胞で可視化することに成功した。 今回、樹立したヒトiPS細胞は、ヒト体細胞からiPS細胞へ再プログラム化される中間段階にある幹細胞で、特性として(1)培養条件を変えることで、iPS細胞への再プログラム化を効率よく再開する(2)単一細胞からの増殖が可能で、ゲノム編集などの遺伝子操作技術の応用が容易、などが挙げられる。 これにより今後は、ゲノム編集を含む遺伝子改変されたiPS細胞の作製が簡易になり、遺伝子疾患の病因解明や創薬開発に貢献する。またヒト再プログラム化機構の解析を再現性よく行うことが可能となり、iPS細胞の品質の安定化に貢献する、などの波及効果が期待される。 同研究成果は英国科学誌「Development」誌の電子版で公開された。 |