2016年01月13日
2015年のエチレン生産 688万トン、3.6%増
【カテゴリー】:行政/団体(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:経済産業省

経産省化学課は13日、昨年12月のエチレン生産量が前月比5.3%増(前年同月比▲2.5%)の614.1千トンだったと発表した。これにより2015年1~12月のエチレン生産量は前年比3.6%増の688万3,600トンと確定した。
2010年の7,017.6千トン以来の高い生産量となった。11年以降続いた減少傾向に歯止めがかかった印象だ。

わが国石化業界は、米国のシェール由来や中東エタンを原料とするエチレン増産によって製品輸出が減少し、最悪の場合、30年のエチレン生産は現在の半分以下に落ち込むとのシナリオが描かれ、設備廃棄、集約化が促されてきた。だが、14年末からの原油価格下落で状況が一変した。原料のナフサ価格が下がり、円安が追い風になって輸出が大幅に伸び、エチレン製品の生産量に占める輸出比率も30%台後半~40%台に達するようになった。

大消費地の中国が生エチレンを輸入に頼るという構造も続く。住友化学・千葉工場や三菱化学・鹿島1号機の停止もあって、エチレン各社はいずれもフル操業を続けてきたが、さらなる設備廃棄や業界再編の気運が遠のくことは避けられそうにない。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1452651917.pdf