2016年01月13日
帝人、火山噴石対策用のアラミド織物開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人

帝人は、活火山の火口周辺にある山小屋や避難壕(シェルター)などの防災・補強用途に向けて、このほど、パラ系アラミド繊維「トワロン」および「テクノーラ」を使用した新規アラミド繊維織物を開発した。

このアラミド繊維織物は、内閣府による「活火山における退避壕等の充実に向けた手引き」の規定に則して設計・製造された。これらの織物は、霧島錦江湾国立公園のビジター用施設「えびのエコミュージアムセンター」(宮崎県えびの市)で、硫黄山の小規模噴火に対応するため、環境省が補強改修を進めている屋根に使用されることがすでに決まっている。

パラ系アラミド繊維は、軽量かつ強度や耐熱性などに優れる高機能素材で、帝人は特性の異なる2種のパラ系アラミド繊維を展開する世界唯一のメーカー。「トワロン」は、同じ重量の鉄に比べて6倍の引張強度を持ち、弾性率、耐弾刃性、耐熱性などに優れている。

同社はこれらのアラミド繊維織物による山小屋シェルターの補強で、噴火時の安全確保に貢献する。同織物で2017年までに5万平方メートルの販売を目指す。