2016年01月13日 |
群馬大など、LiBのリチウム元素定量法開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:科学技術振興機構、京都大学 |
科学技術振興機構(JST)は13日、群馬大学、京都大学、高輝度光科学研究センター、米国ノースイースタン大学の共同研究チームが、大型放射光施設Spring-8の高輝度・高エネルギーの放射光X線を用いてリチウム元素を非破壊(試料をそのまま)で定量する新手法を開発したと発表した。大型リチウムイオン二次電池(LiB)の電極内反応分布の非破壊測定法になると期待される。 研究グループは、コンプトンプロファイルの変化を数値化するパラメータ(Sパラメータ分析法)を新たに開発し、破壊分析である高周波誘導結合プラズマ発光分光(ICP分析)法から得られたマンガン酸リチウムのリチウム量と比較した。その結果、コンプトンプロファイルの変化と試料のリチウム量との間に相関関係が成り立つことを見いだし、マンガン酸リチウムのリチウム量について検量線を決定した。さらに、開発したSパラメータ分析法を市販のリチウムイオン電池に適用し、放電過程における二酸化マンガン正極内のリチウム濃度の変化を非破壊で直接測定することに成功した。 現在、自動車などに搭載する大型LiB開発において、電極内の反応分析を、その反応下で観察する手法の開発が望まれており、今回の研究成果応用が期待される。 研究成果は米国科学誌「Journal of Applied Physics」1月14日号に掲載の予定。 |