2000年09月28日
伊藤忠商事、退職給付信託を設定/単独・連結業績予想を修正
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:伊藤忠商事

 伊藤忠商事は27日、退職給付会計導入にともなう会計基準変更時差異の一括償却のため、自社保有株式を退職給付信託に設定するとともに、これにより2001年3月期の単独および連結業績予想の修正を発表した。
 退職給付信託は9月25日に458億円で設定したもので、信託設定益を2001年3月期の単独決算における特別利益として458億円計上するとともに、会計基準変更時差異を一括償却、特別損失に459億円を計上する。一方、米国会計基準による連結決算については、有価証券売却益428億円を計上するが、退職給付に関する償却については従来から米国会計基準に基づいて償却不足額を償却しているため、追加損失の影響は発生しない。
 これらのことから2001年3月期の業績予想について、まず単独決算については会計基準変更時差異の一括償却額と信託設定益とが相殺され、損益はほぼゼロとなるものの、前回の業績予想では5年償却を見込んでいたことから、2000年9月中間期および2001年度3月期の税引き後利益について、業績予想を上方修正する。
 また、連結決算については、上記の通り有価証券売却益を計上する。ただし、9月29日にみずほホールデイングスの設立が予定されており、米国会計基準による連結決算では、設立にともなって伊藤忠商事が保有する第一勧業銀行および日本興業銀行株式とのこうかんにより交付されるみずほホールデイングス株を時価計上し、旧株式の取得価額との差額を損益計算書に反映させることになるため、基準値81万7,000円をベースに計算した場合の当該株式評価損約90億円を考慮し、2000年9月中間期および2001年度3月期の税引き後利益について、業績予想を上方修正する。
 なお、修正値は次の通り。

[2000年(平成12年)9月中間期単独業績予想修正]
修正値(前回予想)増減額 増減率の順(単位:百万円、%)
◇中間純利益 150(120)30 25.0

[2001年(平成13年)3月期通期単独業績予想修正]
修正値(前回予想)増減額 増減率の順(単位:百万円、%)
◇当期純利益 230(200)30 15.0

[2000年(平成12年)9月中間期連結業績予想修正]
修正値(前回予想)増減額 増減率の順(単位:百万円、%)
◇中間純利益 500(320)180 56.3

[2001年(平成13年)3月期通期連結業績予想修正]
修正値(前回予想)増減額 増減率の順(単位:百万円、%)
◇当期純利益 680(500)180 36.0