2000年09月27日
VECの田代会長、原料高の影響を懸念
商慣行の改善にもさらに力入れていく必要を強調
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東ソー、塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会の田代圓会長(東ソー社長)は27日に開いた定例記者会見の席上、塩ビ業界の現状について「原油高の影響を強く受けて一段と深刻な事態を迎えつつある」と指摘、塩ビ業界も他の化学業界同様にナフサ高によって採算を厳しく圧迫されている点を強調した。
 同会長は、PVCの当面の需給バランスについては「加工業界による製品価格の是正が末端需要にどういった影響を及ぼすかが簡単に予想できないのではっきりしたことは言えない」としながらも「前年並みの需要は確保していけると判断している」と語り、加えて、需給を大きく左右するメーカー在庫については「現在の12万トンという規模はかなり低いレベル」と断言、当面のマクロな需給に大きな不安はないとの見方を示した。
 しかし肝心の収支バランスには「不安定の材料が大きい」と述べ、「需要家各社のご理解で念願の価格是正が実現の段階を迎えたが、ナフサが原油以上に高騰しているため採算の確保が依然として容易でない」と厳しい見通しを披露、続けて「そうした点から言っても価格是正に加えて商慣行の改善についてもユーザー各社に協力をお願いして早期実現を図る必要がある」とも指摘した。