2000年09月27日
中外製薬、遺伝子組換えヒトG-CSF製剤の製造承認事項を一部変更
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬株式会社は27日、遺伝子組換えヒトG-CSF製剤「ノイトロジン注50マイクログラム」「同100マイクログラム」「同250マイクログラム」(一般名:レノグラスチム(遺伝子組換え))の製造承認事項一部変更について、9月22日に承認を取得した、と発表した。
 今回の発表のポイントは、(1)追加された効能・効果として「造血幹細胞の抹消血中への動員」、また効能・効果において、これまで「骨髄移植時の好中球数の増加促進」としていたものを、「造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進」と変更したことの2点。
 今年4月に保険適応になった抹消血幹細胞移植療法は、これまでの骨髄移植療法に加え、再生不良性貧血や白血病などの新しい治療法の1つとして期待されている。この抹消血幹細胞移植療法に先立って患者や健常人ドナーから抹消血幹細胞を採取する際に「ノイトロジン注」が投与されることから、特に安全性を重視し、造血幹細胞移植学会の協力を得ながらドナーの安全性確認を行なっていく考え。
 なお「ノイトロジン注」は、同社が1984年に世界で初めて純化に成功したヒトのG-CSF(好中球数増加因子)を、遺伝子組換え技術により量産した製剤で、骨髄中で好中球の分化と増殖を促す作用がある。
 「ノイトロジン注」は、1991年の発売以来、がん化学療法あるいは再生不良性貧血などの原疾患に伴うさまざまな好中球減少症に対する効能・効果を追加している。また、海外では、主に中外ファーマ・マーケティング社、アベンティス・ファーマ社により世界64カ国で「グラノサイト」の製品名で販売されている。