2016年01月26日
東大院、曲げても正確に計測、センサー世界初開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東京大学

科学技術振興機構(JST)は26日、JST戦略的創造研究推進事業の一環として東京大学大学院の染谷隆夫教授らの研究グループが、世界で初めて、曲げても性質が変化しないフレキシブル圧力センサーの作製に成功したと発表した。
これまで、柔らかい素材でできたある圧力センサーは、曲げたりよじれたりすると、変形に伴うひずみのためにセンサーの性質が大きく変化してしまい、正確に計測できなくなるという問題があった。

東大院の研究グループは、ナノファイバーを用いることによって、曲げても正確に測れる圧力センサーの開発に成功した。今回開発した圧力センサーは、半径80マイクロメートルまで折り曲げても、圧力センサーとしての性質が変化せず、膨らませた風船のように柔らかい曲面上でも圧力の分布を正確に計測することができた。

これらの研究成果を活用し、ゴム手袋など柔らかな曲面上にセンサーを装着して圧力を測定することが可能となり、感覚に頼っていた触診をセンサーで定量化するするデジタル触診など、ヘルスケア、医療、福祉など多方面への応用が期待される。

この研究成果は、1月25日(英国時間)に英国科学雑誌「Nature Nanotechnology」誌オンライン速報版で公開される。