2000年09月27日
昭和電工、4Qの酢酸エチル輸出価格730~750ドルへ引き上げ
玉不足から輸出調整も、国内価格は10月から12円値上げ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は、酢酸エチルの4Qの輸出価格について3Q比30~50ドルアップのCFRトン730~750ドルを目指す方針で、まもなく交渉を開始する。
 酢酸エチルのアジア市況は、需給タイト化などもあり、年初の600ドルから徐々に上昇、現在は700ドル水準となっている。
 アジアではセラニーズがシンガポールにおいて新増設を行ったものの、設備不都合から稼働しておらず、依然として玉不足状況が続いている。国内でもインク向けが堅調に推移、粘着材向けもシックハウスなどへの対応からトルエンからの代替需要が出てきており、景気の低迷にもかかわらず昨年の内需18万7,000~18万9,000トンに対し、今年は20万トンを越える需要量が見込まれている。
 また、同社では今月26日から徳山工場の定修を約2ヶ月間の予定で実施しており、4Qは輸出調整せざるを得ない状況となっている。こうしたことから一段と需給がタイトに推移するものと見られており、ここへ来ての急激な原料価格の高騰もあって価格修正を実施するとしている。
 なお、国内価格についても10月1日出荷分からキロ当たり12円幅で値上げを打ち出しており、早期決着を目指すとしている。