2000年09月27日
三菱化学、PTA、フェノール、SM、オキソ、EOなど14品目を値上げ
4Qのナフサ2万6,000円での価格体系に
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:テクノポリマー、三菱化学

 三菱化学は27日、ナフサ・原油価格の高騰から石油化学製品の修正を実施する、と発表した。
 同社では4Qの国産ナフサ価格をキロリットル当たり2万6,000円と予想、この原料価格体系に則りPTA(高純度テレフタル酸)、フェノール、アセトンおよび誘導品、SM(スチレンモノマー)、オキソアルコール、アクリル酸およびエステル、EO(エチレンオキサイド)など14品目を10月1日出荷分から値上げを行う方針で、需要家との交渉を開始する。
 製品別の修正幅はPTAが輸出価格を10月分としてトン当たり30ドル引き上げ590ドルとし、国内向けもキロ当たり5円値上げする。PTAの価格修正を10月分に限定したのは、原油価格の先行き不透明感などから、主要原料であるPX(パラキシレン)が期中の再値上げもあり得ることから、11月以降の価格も原料状況を見極め判断していくとしている。
 フェノール系製品では、フェノールがキロ18円、アセトン15円、ビスフェノールA20円、MIBK20円、アルキルフェノール20円、ダイアセトンアルコール20円で、それぞれフェノールが第三次、アセトンが第四次値上げとなる。
 SMはキロ20円で、昨年7月の値上げから通算して第五次値上げとなった。同社のSMは、A&Mスチレン、テクノポリマーなど準自消向けが販売量の80~85%を占めているが、こうしたユーザーには原料フォーミュラが浸透しているため、外販向けを対象とした値上げになる。またSM国内価格は、アジア市況ベースでの値決めもされているが、一昨年には一時400ドルを割り込むなど低迷していたが、今年1Qには1,000ドルを超え、現在も810~820ドルで強含みで推移しており、海外市況に見合った価格体系づくりも求められている。
 オキソアルコール・アクリル酸系では、2エチルヘキサノールがキロ15円、ノルマルブタノールが15円、イソノニルアルコールが20円、アクリル酸が10円、アクリル酸エステルが20円値上げする。アルコールでは輸出価格の修正にも乗り出しており、2エチルヘキサノールが現在の610ドルに対し650ドルを、ブタノールが530ドルに対し600~650ドルを目指し、交渉を開始している。
 EOはキロ10円で、今年8月に決着した値上げに続いて第四次値上げとなる。EOの価格体系はほぼナフサリンクが浸透しているが、前回の第三次では2万1,000円レベルとなっているため、今回はナフサ5,000円分の値上げを打ち出したことになる。
 同社が打ち出した石化製品の価格修正は以下の通り。

<三菱化学石化製品修正一覧>
2000年10月1日~
製品名         価格修正幅
高純度テレフタル酸   30ドル/トン(海外)
             5円/キロ(国内)
フェノール       18円/キロ
アセトン        15円/キロ
ビスフェノールA    20円/キロ
MIBK        20円/キロ
アルキルフェノール   20円/キロ
ダイアセトンアルコール 20円/キロ
スチレンモノマー    12円/キロ
2エチルヘキサノール  15円/キロ
ノルマルブタノール   15円/キロ
イソノニルアルコール  20円/キロ
アクリル酸       10円/キロ
アクリル酸エステル   20円/キロ
エチレンオキサイド   10円/キロ