2016年01月28日 |
産総研と森林総研、イネの遺伝子でポプラの木質強化 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所と森林総合研究所は28日、共同でイネの遺伝子を使ってポプラの木質を大幅に増強することに成功したと発表した。ポプラの成長に悪影響がなく木質生産性を約4割、木材強度を約6割向上させた。 この技術は、イネの木質生産を制御しているOsSWN1転写因子を、遺伝子組換え技術によりポプラに導入して、ポプラの成長には悪影響を及ぼさずに木質生産性を約4割高め、木材の強度も約6割向上させることができる。将来的には、木質由来のバイオエタノールやバイオプラスチックの高効率生産がもたらすCO2排出削減への貢献が期待される。 今後は、光合成能力の強化など他のバイオマス生産性向上技術と組み合わせて、さらなる生産量の増加を目指す。また増強された木質中のリグニンを改変するなどして加工性や糖の抽出量の向上を図る。ポプラだけでなく、ユーカリやアカシアなどの樹木への技術の適用も検討する。 2030年頃には木質由来バイオエタノールの生産効率を50%以上向上させ、全世界で栽培する木質生産用植物の20%にこの技術を適用して年間約4000万トンのCO2排出削減効果を得ることを目指す。 今回の技術開発は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業として実施された。 同成果は1月27日19時(日本時間)に「Scientific Reports」にオンライン掲載される。 |