2016年02月01日
三菱化学、「濃縮酒」グレーゾーン解消、開発加速へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

三菱化学は1日、産業競争力強化法に基づく「小型濃縮システム」のグレーゾーン解消を受けて、ゼオライト膜を用いた濃縮酒の開発を加速すると発表した。

同社は独自のゼオライト膜と分離精製技術を活用して、濃縮酒「琥珀露」を開発し、清酒メーカーの西野金陵(本社:香川県、西野寛明社長)を通じて2014年4月から販売してきた。

黒崎事業所では開発に当たり、酒税法第7条に基づく試験製造免許を取得した。だが、試験製造免許については「真に試験研究を目的とする場合に限る」となっており、濃縮した試験製造品を実験室の外に持ち出すことの可否についての解釈があいまいだった。味や香りなどの分析評価をするにも、わざわざ酒造メーカーを実験室まで呼ばなければならず、時間や手間がかかっていた。

産業競争力強化法の「グレーゾ-ン解消制度」に基づき、経産省に照会したところ、2016年1月15日に財務・経産両省から回答があり「小型濃縮システムを用いた酒類の試験製造品の分析評価目的での実験室外持ち出しは試験製造品免許の対象」であり、実験室内外での取り扱いがOKであることがはっきりした。

三菱化学では「サンプルの解析や試験にかかるコストが数十分の一に低減できる。1年間で濃縮試験を実施できる酒類のサンプル数を現在の10培に増やすこともできる」と、今後はゼオライト膜を生かした「美酒」事業拡大を加速させる方針だ。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1454303545.pdf