2000年09月27日
現代石化とサムスン綜合化学、主要銀行への再建計画提出を年末に延期
現代はLG化学にPVC売却へ/サムスンも資産3,000億ウォンを売却
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井物産

 現代石油化学とサムスン綜合化学は、主要銀行に対しそれぞれが9月末に再建計画を提出、外資導入を進める予定であったが、これを年末まで延期することになった。また外資導入を実現するため、現代石化はLG化学にPVC(塩化ビニル樹脂)事業の売却交渉を進めているほか、サムスン綜合化学も総額3,000億ウォンに上る資産の売却および2,002億ウォンの増資を検討している。
 両社は昨年から、石油化学事業の統合を目指した、いわゆるビッグ・ディールについて検討を進めてきたが、今年に入って交渉は不成立に終わった。このためれぞれ、独自に外資導入を柱とした再建計画の検討を進めている。その後油化学は、初ビッグ・ディールの交渉にも協力していた三井物産との間でNCC(ナフサクラッカー)部門を対象とした計画を進めているが、このほかUAE(アラブ首長国連邦)の投資家グループであるIPICを通じてボレアリスと石油化学事業全体を対象とした外資導入も検討している。これら2つの計画については、現在の所結論が出ていないが、キャッシュフローを確保したい現代石油化学はこれと並行して、PVC(塩化ビニル樹脂)や合成ゴムなど非コア事業の売却を検討している。特にPVCについては、LG化学との交渉が最終段階に入っており、詳細部分の問題が解決すれば売却が成立する見通し。
 一方サムスン綜合化学は、ビッグ・ディールが不成立に終わった後、世界銀行の姉妹機関であるIFC(Interntional Finance Corporation、国際金融公社)を含む2~3の海外投資機関と交渉を進めてきた。現在は数社の石油化学メーカーとの間で外資導入について話し合いを進めているもよう。同社は、この外資導入を実現する環境を整えるため、同社に出資するグループ企業に対し、総額2,002億ウォンの増資を要請しており、すでにサムスン精密化学がこれを承認している。さらに同社は、3,000億ウォン規模の資産の売却も検討しており、増資分とあわせた5,000億ウォンで韓国政府が要求している負債比率200%以下という目標をクリアする考え。
 このように現代石油化学、サムスン綜合化学とも、当初予定していた9月末では、現在進めている施策を盛り込んだ再建計画の提出は困難であると判断、年末まで計画の提出を延期したもの。なお韓国政府は、財閥を中心とした企業改革政策を来年2月までに完了させる方針。