2000年09月27日 |
旭化成、10月1日出荷分からSMをキロ12円値上げ |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:旭化成 |
旭化成工業は26日、SM(スチレンモノマー)の価格について、10月1日出荷分からキログラム当たり12円の値上げを実施することを決め、需要家との交渉を開始する、と発表した。 同社によるとSMは、国際流動性のある市況商品であり、中国、台湾、東南アジア諸国における需給状況により市場価格が決まるが、最近のアジア価格はトン当たり800ドルを超え、第4四半期には850ドル前後で推移すると予想されている。市況上昇の背景としては、中国のPS(ポリスチレン)、発泡ポリスチレン向けの旺盛な需要に対し、9~11月にかけてSMメーカーの定修が予定されているため供給がタイト化すること、およびナフサの高騰からくる大幅なコストプッシュが確実視されていることを挙げている。 こうしたことから同社は、昨年第2四半期以降4回の値上げを実施してきたものの、アジア価格に比べまだ逆内外価格差が存在していることに加え、原料価格が高騰していることから、さらなる値上げを決定したもの。 なお原油価格(米国WTI原油)は、米国が戦略的備蓄原油の一時的な放出、さらにG7がOPEC(石油輸出国機構)に対し原油の増産を要請したことから、ピーク時のバーレル当たり36~37ドルから、31~33ドルに是正されている。しかし、今後冬場の暖房油需要のシーズンに向かい原油需要も増加するため、原油価格が大幅に下落することはなく、高騰しすぎた原油価格の抑制にとどまるものと観測されている。また国産標準ナフサ価格は、第4四半期にはキロリットル当たり2万6,000~7,000円となるものと予想されている。 |