2000年09月25日
OSHA、Kレジン爆発事故でフィリップスに罰金250万ドル提案
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 米国の労働安全衛生庁(OSHA)はこのほど、フィリップスがテキサス州パサディナに有しているヒューストン・ケミカル・コンプレックスにおいて今年3月27日に発生したSBC(スチレン・ブタジエン・コポリマー)「Kレジン」の爆発事故について、6ヶ月にわたる調査の結果50にも及ぶ安全基準違反について罰金250万ドル(約2億7,000万円)の支払いを提案した。
 この事故は、米国現地時間の3月27日13時30分頃に発生、従業員1名が死亡、69名の負傷者を出した。事故の原因についてOSHAは、1万2,000ガロンのブタジエンタンクが異常な化学反応を起こした結果爆発したものと結論付けた。また、この爆発により近隣のケミカルタンクの炎上や損傷も引き起こしている。爆発したブタジエンタンクは、清掃作業のため使われていなかったうえに、圧力や温度ゲージを備えておらず、従業員は差し迫った危険に気づかなかったと見られている。さらに、完全に締められておらず、機能していなかったバルブから、ブタジエンがタンク中に流れつづけた。
 OSHAの行政官であるCharles N. Jeffress氏は、「このプラントは、まだ悲劇が起こりつづける可能性がある。本当に必要なことは、プラントに関わる全ての従業員の安全と、改良されたトレーニング、法人としてプラントの安全について高い優先度を持つ姿勢を再調査することである」と語った。
 なお現在このプラントは、今年7月にスタートしたシェブロン・フィリップス・ケミカル・カンパニー(CPC)に所有権が移転している。また、トップメーカーのフィリップスのSBC生産が停止していることにより需給がタイト化、各社が設備の増強を含めた増産で対応しているが玉不足は解消されておらず、運転再開を含めたCPCの対応が注目されている。