2000年09月25日
三菱レイヨン、透明ASA樹脂が好調~耐薬品性に高い評価
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンの透明ASA樹脂が好調だ。現在、スケルトンブームを追い風に、ABS樹脂やHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)の透明グレードの需給がタイトとなっているが、同社の透明ASA樹脂は、さらに耐薬品性を付与した高付加価値な製品として、今後も需要の拡大が期待される。
 アップルコンピュータ社のiMACをきっかけに広がったスケルトンブームは、関係者の心配を尻目に現在も数量、用途の拡大が続いている。このため世界最大手のABS樹脂メーカーである奇美実業が今春参入したが、それでもなお玉不足の状態が続いているのが現状。
 三菱レイヨンの透明ASA樹脂は、耐薬品性に優れているのが特長で、さらにABS樹脂の透明グレードを上回る良外観性を備えている。最近では、洗濯機で中身を確認することのできる蓋などに採用されるなど、引き合いが殺到しており、注文に応じきれないほどとなっている。
 国内の透明ABS樹脂メーカーが重合時間の長い透明ABS樹脂をバッチ式設備で生産しているのに対し、三菱レイヨンはアクリル樹脂の釜を使うことができるため、生産効率も高くコスト競争力にも優れているという。現在の生産量は月産300トン強にとどまっているが、今後の需要動向次第では増産も検討していきたい考えだ。