2016年03月03日
神戸大など、海水中の魚群をDNAでとらえる技術開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

神戸大学の山本哲史(さとし)学術研究員(生態学)羅の研究チームは3日、海水に含まれる魚のDNAを分析することで、周辺の差かなの生息分布を把握する新しい手法を開発したと発表した。

魚群探知機では正確につかむことが難しい魚の種類や量(生息規模)まで正確の把握できる上、低コスト、リアルタイムで観測できる。
JST戦略的創造研究事業の一環で、神戸大学を中心に、北海道大学、統計数理研究所など6つの研究機関が共同で研究に取り組んだ。

今回は、京都府舞鶴湾の47地点で界面近くと海底付近から1リットルずつ海水を採取し、それぞれの海水に含まれるマアジのDNA量(環境DNA量)を測定した。従来の魚群探知機の計測結果とも比較した。他の魚にも応用できる。こうしてDNAの濃度によってどのような生物種がいるかだけでなく、量も把握できる技術を世界で初めて開発した。

今後、漁業や魚の生態研究で調査効率の飛躍的な向上が期待される。

米国オンライン科学誌プロスワンに3日(現地時間)掲載される。