2000年09月22日
出光石油化学、グループスチレン事業を強化~PSは中国進出も
今後マレーシアで電力インフラ整備含めPS/SMを増強へ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 出光石油化学は今後、日本およびアジア地域で展開しているスチレン事業について、設備増強を含めグループとしての総合力を強化していく考えだ。
 同社はスチレン事業において、SM(スチレンモノマー)では日本とマレーシアに合計年産75万トン、PS(ポリスチレン)は日本、マレーシア、台湾の3拠点で計36万トン(ほか大日本インキ化学工業との生産受委託3万トン)、さらに海外PSコンパウンド拠点としてマレーシアとインドネシアに合計3万3,000トンの設備を有している。
 特にマレーシアでは、エチレンからの一貫体制を構築しているが、SMは2期分のインフラをすでに建設、倍増を前提とした計画になっている。アジアのSM需給は今年から来年にかけてタイトバランスで推移する見通しで、その後も中国市場における需要拡大が見込まれている。こうしたことから同社では2003~2004年をめどにマレーシアのISM(イデミツ・スチレンモノマー)の生産能力を倍増すると同時に、PSの増強を実施していく。また同社の設備があるジョホール地区は、特に工場が集中する地域であり、電力インフラの弱さが指摘されているが、これらSM、PSの増強を期に自家発電設備も建設する考えで、自前で電力の安定供給体制の構築を目指す。
 同社は、これらマレーシアにおける増強を含め、アジア地域でスチレン事業の基盤を固めた上で、将来は現在5%出資しているインドネシアのSMI(スチリンド・モノ・インドネシア)との連携強化や中国へのPS進出などのアイデアの具体化を検討していきたいとしている。

http://www.c-nt.co.jp/news/idemitsu_styren.html">出光石油化学グループのスチレン事業展開