2016年03月18日
出光、昭シェル株取得へ劣後ローン1000億円調達
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産

出光興産は18日、日本政策投資銀行など金融機関5行と、昭和シェル石油株の取得資金の一部として1000億円の劣後ローン(劣後特約付シンジケートローン)契約を締結することに合意したと発表した。今年3月31日に借り入れ契約を締結する。

貸付人は日本政策投資銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友信託銀行、みずほ銀行の5行。条件として借入期間が60年と長く、適用利率は、当初5年間は6カ月円LIBORをベースとした変動金利、5年後以降は年率1.00%ステップアップした変動金利とする、などで合意した。

出光興産は15年7月30日付で英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが保有する昭和シェル株33.3%を取得する譲渡契約を締結した。17年4月までに経営統合することで現在協議中だ。

シェル株式の取得費用は1691億円と見込まれるが、残りの700億円についても銀行からの借り入れにめどがついたとしている。今回の劣後ローンに対しては、格付機関から一定の資本性が認められる見通しのため、株式の希薄化なしに実質的な財務体質を強化することができる。出光では経営統合によるシナジー効果を早期に実現し、成長戦略を加速させるとしている。