2016年03月25日
韓国・中国からの水酸化カリウムに「不当廉売」仮決定
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省、財務省

経済産業・財務の両省は25日、韓国および中国から輸入される水酸化カリウムについて、不当廉売(ダンピング)の事実があり、わが国産業に損害を与えているとして、韓国に対して59.95%、中国に対して91.66%のダンピング関税を課すとした、先の中間報告を認める仮決定を行ったと発表した。
今後、外為法に基づく審議会での審議を経て必要な続きに入るが、4月中には正式決定する見通しだ。

水酸化カリウムは、主に炭酸カリウムなどのカリ塩類の原料、化学肥料原料、アルカリ電池の電解液、写真の現像液、無機化学反応助剤、液体石鹸・洗剤の原料などとして使用されている。
経産・財務両省は2015年4月、業界団体のカリ電解工業会(東京都中央区新川)から、韓国及び中国産品における「不当廉売」の訴えを受け、5月から市場の実態や国内価格に及ぼす影響、国内産業に与える影響などについて合同調査を開始した。

関連ファイル
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/boekikanri/download/trade-remedy/150526_news-release.pdf

わが国の水酸化カリウムメーカーは旭硝子、ダイソー、東亞合成、日本曹達の4社。
国内向け販売量は、2010年78,275トン、12年78,437トン、14年72081トンと推移。
一方、輸入品は2010年14,352トンから12年17,295トン、14年には25,567トンと急上昇中だ。
輸入量に占める比率は韓国が圧倒的に高く、2010年は82.1%(中国15.5%)、12年86.5%(中国1.4%)、14年には97.4%(中国4.2%)とほとんどを韓国産品が占め、国内市場に大きな影響を与えた。

関連ファイル(調査報告書)
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/boekikanri/download/trade-remedy/160325houkokusho.pdf

両省は、引き続き今回の仮決定に対する利害関係者からの意見聴取の機会を設けるほか、WTO協定に定められた国際ルールや関係法規に基づく調査を行っていく方針だ。


http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160325003/20160325003.pdf