2000年09月20日
三井化学、PEの採算割れ受注を拒否へ
重大な決意で価格修正の徹底図る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成、日本ポリオレフィン、三井化学

 三井化学は原料ナフサの高騰に対処して各種石油化学製品の価格是正に取り組んでいるが、うちポリエチレンについては、目標を確実にクリアするため、採算ラインを大きく下回る価格のオッファーは拒否していく方針を固めた。10月1日から実行に移したいとしている。
 同社は昨年8月以降、HP-LDPE、HDPE、L-LDPE、EVAなどポリエチレンの全品種の価格をナフサ価格の動きにスライドさせるかたちで決定するいわゆるナフサリンク制の普及に力を入れている。大手ユーザーの中には、合理的であり計画経営がやりやすいとしてこの価格決定方式を受け入れるところが増えつつある。
 しかし最近の需要家の中には、ここにきてのナフサの高騰振りに音を上げて価格修正に強い拒否反応を示す向きも出てきており、そうした動きに同社がどのように対応するかが関係各方面から注目されていた。
 今回の計画について同社では、ポリエチレン部門の赤字転落を防ぐためには不可欠な措置なので、これに伴い仮に当面の出荷量が縮小することになっても止むを得ないとしている。
 なお、最近のナフサ高に対処してのポリエチレンの価格政策としては、日本ポリオレフィンや旭化成工業による9月の出荷分からの1キログラム10円の値上げ表明が挙げられる。