2016年04月01日 |
“明るさの中にも厳しい門出”各社 入社式 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:宇部興産、昭和電工、東ソー |
新年度入りとなった1日は、多くの企業が新入社員を迎える入社式を行った。化学業界はようやく業績に回復傾向が見られるといっても、国際競争や構造改革、原料問題、イノベーション、保安対策など課題は多い。トップの挨拶にも、期待を込めてか、明るさの中に厳しい言葉が相次いだ。 ■宇部興産 総勢88人の新入社員を迎えた宇部興産の山本謙社長は、同社のありたい姿として「価値を創造し続ける企業」を掲げ、実践してほしいこととして「わからないことは理解できるまで聞く。社会情勢など幅広い知識を持つ。何ごともよく考え自分の意見を持つ」の3点を要望した。また「製造業である以上、常に災害リスクがつく。安全への心得をしっかり胸に刻んでほしい」と強調した。 ■昭和電工 1月に新中計「Project 2020+」をスタートさせた昭和電工の市川秀夫社長は「不安定・不確実な経済環境の中、われわれ自身が大きく変わらなければならない。重点市場領域に対して当社の強みを生かしてグローバル展開し、高いレベルで収益性を確保する。皆さんにはやり甲斐のある機会が多く待ち構えている」と訓示。行動の具体化、リーダーシップ、ダイバーシティの3つの実行を求めた。 ■東ソー 東ソーの山本寿宣社長は、「会社の先輩としていうが、明るい雰囲気の中で伸び伸びと働けるだろう」と、まず会社の社風を紹介したあと、「ただ、業績も今でこそ好調だが、これまで全てがうまくいったわけではない。いくつかの事業撤退も経験した。過去の苦い経験を忘れず、持続的に強く成長していくためには何が大切かを必死に考えて実行してほしい」と慢心を戒めた。 ■住友化学 昨年、開業100周年を迎えた住友化学は、今年度から次の100年に向けた新中計に取り組む。十倉雅和社長は訓示の中で、同社が目指す姿として「革新的な技術による新たな価値創造を通じた持続的な成長の実現」を掲げていることを強調した。また、新入社員に望むこととして「社会から信頼される人になれ。志を高く持ち学ぶ努力を続けよ。グローバルな視野を持ち自らを成長させよ」とエールを送った。 ■日本ゼオン 本社22人、工場23人、関連会社33人、計78人の新入社員を迎えた日本ゼオンの田中公章社長は、要望することとして3つを挙げた。「まず夢を持つこと。ゼオンで叶えたい夢を持ち、真剣にチャレンジしてほしい。すべてが変わるはずだ。次は会社を変えるという思いだ。フレッシュな目で見て変えてほしい。3つ目は健康であり続けることだ。病気やけがをせず毎日健康で過ごしてほしい」と期待を込めて語りかけた。 ■旭化成 4月から新しい経営体制のもとで新中計をスタートさせる旭化成は大学・高卒合わせて351名を採用。小堀秀毅社長は「世界市場を舞台に活躍する人財に成長してほしい」と、期待を込めて語りかけた。この中で、社員の心がけとして(1)現場に足を運び、現物を確かめ、現実を知るの“三現主義”の徹底(2)グループ共通の価値観である「誠実」「挑戦」「創造」の実践を求めた。 ■出光興産 出光興産は今年事務系36人、技術系76人、計112人を採用。月岡隆社長は、「われわれを取り巻く環境は大きく変化している。世界中で様々な変化が起きている」と強調したあと、昭和シェル石油との経営統合やベトナム・ニソン製油所プロジェクトなどは、大きな環境変化に対応した事業改革だと説明した。「基本を身につけること、周囲に支えられていることを知ろう、変化に挑戦しよう」とアドバイスした。 ■千代田化工建設 渋谷省吾社長は「千代田グループを取り巻く事業環境は厳しいと言われているが、世界は常に変化しており、われわれの先輩たちもこれまで幾多の変化に対応し、成長し続けてきた。皆さんも若い感性や柔軟な発想を生かして努力を惜しまないでほしい。一日も早くプロフェッショナルとしての“力”をつけ、新しい時代を拓く千代田の歴史のバトンを担えるようになってほしい」と励ました。 |