2016年04月05日
東大、肺繊維症治療に向け核酸医薬開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学、東北大学

東京大学理学系研究科の濡木理教授らの研究チームは5日、東北大学、リボミック(本社:東京都港区、中村義一社長)の研究グループと共同で肺繊維症治療に向けた核酸医薬を開発したと発表した。

まず肺繊維症の原因であるタンパク質オートタキシン(ATX)を阻害する核酸アプタマー(特定分子に結合する核酸分子)を開発した。次にATX-DNAアプタマー複合体の結晶構造を決定しアプタマーがATXの働きを抑えるメカニズムを解明した。さらにATXの働きをより強力に抑えるアプタマーを作製し、肺繊維症のモデルマウスで治療効果を確認することに成功した。

肺繊維症は呼吸器系の重篤な疾患の一つだが、まだ有効な治療法が確立されていない。
同成果が肺繊維症の新規治療薬開発につながることが期待される。

同研究はJST(科学技術振興機構)及びNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を得て行われた。

詳細は「Nature Structural & Molecular Biology」4月4日(オンライン版)に掲載。