2016年04月06日
東大、褐色脂肪細胞の機能制御機構を解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

東京大学大学院の一条秀憲教授(薬科学)らの研究グループは6日、褐色脂肪細胞の機能制御機構を解明したと発表した。生体のエネルギーバランスを維持するための要素の1つとして最近、褐色脂肪細胞が注目されている。
成人にも活性のある褐色脂肪細胞の存在が証明され、代謝性疾患などの1つのターゲットとなっている。

一条教授らの研究グループは、褐色脂肪細胞に発現するタンパク質がUcp1などの体熱産生に関わる遺伝子を制御することで、熱産生やエネルギー消費に寄与していることを明らかにした。さらに、褐色脂肪細胞が分化する課程でPKA-ASK1というシグナル伝達経路が活性化することが褐色脂肪細胞の機能に重要であることも示した。
同研究成果により、褐色脂肪細胞をターゲットとする治療戦略の進展が期待される。

同研究の成果は4月5日、英国の科学誌「Nature Communications」オンライン版に公開された。